他人に触られるの、久しぶりだからって。こんなに早く。

でもなんでだろ。すごく気持ちいい。

ふと、今に弾けそうな下半身と、そこにまとわりついた手をみおろした時。

「あ……、そっか」あることに気づいて、情事の最中だというのにおかしな納得をしてしまった。

「どうした?」それまで、黙ってサノトをいたぶっていたアゲリハが、サノトの様子に気づいて尋ねてくる。

「ああ、うん。なんかやたらと気持ちいいから、なんでかなって思ってて……あれだね、手の大きさがちがうんだ……――――いっつッ!!」

言い終わる前に、首筋を思い切り噛みつかれ、同時に、はぜる寸前の頂きに爪が食い込んだ。

「やめ……ッ!」痛みに悲鳴を上げていると。

「いま。私とだれを、なにとくらべた?」背後から低い声で責められる。

「あっ……ごめっ……」そこでようやく自分の失言に気づいたが、謝罪がしっかりと口に出る前に。

「ひっ!あ―――っ!」爪が離れて、いじる手に力が増す。今度は緩急がまったくなくて、ただひたすらに強い刺激が、サノトのとがった肉に集中した。

「だ、め、あぁッ!あげ……っ、あ、あぁ!やッ!!」」

爪にきずつけられた部分から、強い熱の吹上を感じる。痛みと気持ちよさがないまぜになって、サノトはたまらず悲鳴をあげつづけた。

サノトが絶えずあえいでいるさなか。

「ふん。まあいい」アゲリハが、いまだ不機嫌そうにつぶやく。

「しみついたクセなぞ……いずれつぶしてやるわ」

不敵な声で笑ったあと、ひときわ強く先端を指でしめつけられて。

「ぅぁ!っや、いく……ッ!」

たまらず、サノトはアゲリハの手に熱いしたたりを零した。



アゲリハと半同棲を始めて、はや二ヶ月。

「おはよ」

「……おはよう」

アゲリハの家のリビングで、早朝、顔を合わせるなり微妙な返事が返ってきた。

一瞬、相手の体調不良を心配したが、次の瞬間には「ああ」と思い当たる。

それから小一時間ほど、ソファに座って微妙な顔を続けたアゲリハだったが。やがて。

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