「んっ……んんっ……」
サノトの熱からこぼれたすべりを使って上下にこすられるとたまらなくて、無意識に歯をくいしばった。
「ちからをぬけ、サノト」アゲリハが、空いている方の手で、食いしばったサノトの口を開かせる。
「ふぁ……、」口のはしからこぼれた唾液がアゲリハの指にそって落ちた。アゲリハはしばらく、サノトの咥内を指で弄んでいたが、やがて引き抜くと再び唇を合わせてきた。
「んん……、ぅ……っ」
咥内と下肢が蹂躙されるのがたまらない。けれど、これは精密に言えばセックスではないのだ。自分たちはまだ、どこかとどこかを合わせて遊んでいるだけ。
繋がっていない、それなのに、彼女としてる時の何倍も気持ちが良い
いつかに怒らせてしまったのに、どうしても比較してしまう。前より今は良いならなおさらだ。
「あげ……は、……ね、もう、しよ」気づけば、無意識にそんなことを口走っていた。
「ね、いれて、……あげりは、おれ、ほしい、いまほしい……」
言い募ると、どんどん、自分の本意が見えてくる。
なるほど、俺は欲しいのだな。彼の欲望というよりは、彼そのものが欲しいのだ。だから、いますぐいれてほしいと思う。
俺のことを、大事だと言って優しくしてくれる人に、めちゃくちゃにされたい。
それがどれだけ気持ちが良いか体感したい。
「して、あげりは……」切実な気持ちを込めて強請ったのに、「だめだぞ」彼は意地悪くも制止をかける。
「物事には順番がある、け飛ばしてはいけない」
「俺のじゅんばんはもう充分に来てるよ……」
「そうか。じゃあ私の順がくるのをまっていてくれ」
殺生な言い方だ。文句を言ってやろうとしたのだが。「あぁっ!」強くにぎりこまれて言葉が吹き飛ぶ。
「ひゃぁ……あぁ…」自分の下肢から、くちくちと、皮膚とぬるつく水音をいじる音が聞こえる、先端をつよく押されてから、根本まで親指でなぞられると、声が快感にそって大きくなった。
サノトが喘いでいるさなか。アゲリハは不意に身体をそらすと、サノトの腰と自分の腰が合わさる形で覆いかぶさってきた。
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