「うん??」あれ。そういえばあそこに置いておいたおもちゃがなくなってるぞ?
「ざっくり言うとね、あのチョコエッグを食べると、地球人は俺の言いなりになって、そこからテロを起こすのね。で、地球を侵略するのー」
「うん?」
「たしかめてみる?
はい、俺にキスして。命令です」
「んぐ!!!?」うん!!?俺の体また勝手に動いたぞ!?男にキスしてる!?!?待って!この状況は冗談じゃなかったの!?
「んー。
やだー、俺、これがファーストキスだー。俺ちゃんと学習してるよ?ファーストキスって貴重なんだよね?」
「んん!!?」それを言ったら俺もファーストキスだよ!ひとの大事なもんになにしてくれてんの!?いやそれどころじゃないけど!
とりあえず。状況がやばいことはしっかり理解した。
ようするに宇宙人(本物)が目の前にいるってことね。
わあ。呑み込めない。呑み込めないけど。
「……命だけは見逃していただけないでしょうか」
呑み込んでない内に殺されたら大変だ。命乞いしなければ。
青ざめて頭を下げる豪星に宇宙人さんは「やだー。旦那さまにそんなことしないよー」また不思議な言葉をぽんと投げてくる。
「宇宙語ってユニークですね」おべっか使ったつもりだったが「ちゃんと地球語だよ」茶化さないでとしかられた。すいません。命だけは。
「まーそうだよねー。急に俺が君のこと好きで、なにがなんでも旦那さまにしようって思ったなんて、突飛だよねー」
いえ。突飛なのはそこからではないです。……ん?まってこれどういう流れ?
「あの。すいません。……それはどういう意味なのでしょうか?」
「うん!あのねぇ」
説明をこう豪星に、宇宙人さんは自分の成り立ちから喋りまくる。うそみたいなほんとってこういう時に使う言葉だな。
「で、俺は開発のため地球に来たんだけど。侵略する途中で君にほれちゃってー」
「なんで?」
「俺もびっくりなんだけど、自己学習ってつきつめるとこういう弊害が出るんだね。ようするに、俺の自己学習能力は、君のことを遺伝子レベルでタイプだったみたい」
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