ごろんと、布団をかぶって二度寝を決め込もうとした豪星に、「こらー、ちゃんとおきなよー」謎の男は不満げな声をだし。

「もー。起きて朝ご飯をたべてください。命令です!」

――――そう言うなり、身体が勝手に動いて死ぬほど驚いた。「ひっ!?」身体が意識に反してふとんをけ飛ばし、きちんと食卓の前に正座する。青ざめ口をあけしめする豪星の目の前には、にこにこ笑う謎の男。よくみると、豪星が「あ、この人イケメンだなー」と思う要素を全部つぎ込んだような、整頓された顔立ちをしている。

「な、な、な」

「はいそれじゃあ、ごはんたべよ?命令」

「うぐ!?」からだがまた勝手に動き出す。ハシをとり目の前に置かれた食事に手をつけ……おえ!?とえづきそうになる。なんだこれ!みためはトーストに目玉焼き、スープと普通の朝食っぽいのに、味がまったくその通りじゃない!?子供の粘土おもちゃみたいな味がする!?

「う。うぇ……」

「あれ?おいしくなかった?」

当たり前だろう。と恨めしげに上目遣いで相手を睨むが、相手といえば、「ふーん?そっか、見た目は完璧だと思ったんだけどなぁ」平然と目の前の食事を平らげている。味覚だいじょうぶかこのひと。

「まだ、俺の学習能力がたりてないのかー」

「えっと……」

相変わらず、どういう状況に置かれているのか分からない。強盗の類ならとっくに殺されててもおかしくないのに、へいぜんと目の前ですわっているし、よく分からないけど食事をいっしょにしているし。

それに、さっきから、かってに身体が動くのはなんだろう。

「あの……あなたはどなたですか?」これはもう直接聞くしかない。むしろ聞かない状況続けるほうが危ないかも。

腹をくくって尋ねると。

「うん。俺ねー、君たちで言うところの宇宙人なんだー」

「うん?」頭がやばいって意味では宇宙人だけど、冗談にしては面白くないな。

「昨日きみが買ったチョコエッグあったでしょ?あれの中にはいってたおもちゃ、俺なのね。チョコエッグを買った人がチョコを食べると、その人に近い形に変形するの」

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