「ど、どういうこと!?通院したほうがいいってこと!?」

「いや。病院はあんまり関係ないかな。それより、えーと、なんていうか、青春を満喫しないといけないっていうか……」

「なにそれ!?意味が分からないんだけど!?」

「うーん。まあぶっちゃけて言うか。
ねえ豪星。つき合ってる人とか好きな人いる?」

一瞬、なにを言われているのか分からなくてぽかんとする。

「ようするに、性器なんてつっこみたいかつっこまれたいかっていう欲望から成長するわけじゃない?

だから、君は誰かに欲情して、どっちかの性器をつよく反応させればいいわけ。

逆にいうと、それできないと、性器が未熟なまま終わっちゃう可能性があるよ?」

だからいっぱい恋愛しなよー。と、しごくなんでもないことのように笑う父親の目の前で、真っ青になる。

奔放な性格の父親に、全く似なかったおかげで、豪星はわりとのんびり屋だ。当然、恋だの愛だの、中学生くらいの感度しかない。

それなのに!

性器が発達するほどの欲情ってなんだ。皆目見当もつかない!

しかも、それをしないと身体の異常にかかわるだなんて難題すぎだろ!

「あ、そうそう。過去に親族で、オルファのまま25すぎちゃった奴もいるらしいよ?そうならないように気を付けてねーあははは」

まじかよ笑えねぇ!



「はーーーーーーーーーーーーーー…………」

父親が帰宅してから一週間。くせになってしまった溜息を今日も吐きつつ、とぼとぼ路地を歩いた。

衝撃の事実を告白され、置かれた状況を把握できたは良いものの、その日から謎のプレッシャーに押しつぶされている。

どうしよう。どうしたら恋愛って出来るのかな。誰かと付き合ってみればいいのかな。

いやいや。そうはいっても簡単にできることじゃないよね。

そもそも、俺、人生で一度ももてたことないよ?残念ながら、父親も母親もふつーの顔立ちで、そっくりそのまま受け継いじゃったし。

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