「…………俺、りゅーちゃんの相手はけんじが良いなー」

「えー!私へんじ君がいいのにー!」

猫汰の好みに一蔵楓花が噛みついてくる。「なんでけんじ君なの!?神崎くんならぜったいへんじ君だって言ってくれるとおもったのにー!」

「りゅーちゃんの見た目ならけんじ相手の方が俺すきかなーって」

「やだー!神崎くんなら絶対あの三人の付き合い方で考えてくれるとおもったのに!絶対けんじ君よりへんじ君の接触の仕方のほうがそれっぽいのにー!」

「ありえそうな可能性と有りえない可能性が同じパーセンテージだから、だったらいっそ見た目好きな方で考えた方が俺が楽しいかなって」

「やだやだ!絶対けんじ君よりもへんじ君の方が須藤くんのこと好きだってば!」

「確かに俺もそうだなとは思うんだけど、あいつらってば限りなくライク関係だから。俺は俺の好みを反映させた結果、可能性の上ならけんじとりゅーちゃんが良いのであってね?」

「私はへんじ君と須藤くんの組み合わせの方が見た目も好みなのー!」

「結局そこじゃん!好みずれたからって俺に当たらないでよ!」

「だってだって!別の友達に同じ話したら、その子もけんじ君の方がいいなぁって言うんだもん!私だけカップリング違うなんてたのしくない!せっかくそっちにジャンル替えしようと思ったのにー!」

「はあ!?ちょっと!聞き捨てならないんだけど!なんでそっちに鞍替えするの!?今まで通りダーリンの書いてよ!」

「だって中嶋君はもうずっと書いてて飽きちゃったんだもん!
新しい楽しみが欲しいのー!」

「やだやだ!ふーかちゃん!お願いだからジャンル変えしないでー!」



猫汰の家のリビングの片隅には、小さな机と椅子。その上にノートパソコンが置かれている。

普段それを、彼は課題やネットショッピング、動画などを閲覧するのに使用しているのだが。

今日は、怒涛の勢いでキーボードをたたいていた。

豪星が遊びに来ているのもそっちのけで、カタカタカタカタ。机が揺れるほど真剣に、パソコンの中へ何かを書き込んでいる。

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