すうっと、自分の意識が消える気配を感じて。そのまま眠りに身をゆだねる。
―――――そして。
なにか、やわらかい感触に揺り起こされた。うとうとしながら目を開く。
辺りはまだ真っ暗で、朝とも夜とも言えない時間だ。
変な時間に起きちゃったな……と、寝返りを打った時。
猫汰の顔が眼前に迫り、硬直した。
「ね」
ねこたさん。
豪星が小さくつぶやくと同時に、片腕に柔らかい感触がつよくまとわりつく。視線を下げると、そこには、彼のFサイズがぎゅうぎゅうに押し付けられていた。
え。
ええええええええええええええええ!
「もー、あいかわらずいくじがないなぁ」猫汰が、ぷりぷりとした口調で豪星を攻める。
「ダーリンってば、最近俺の胸ばっかりちらちら見てるから。触りたいんだろうなと思ってこんなかっこうしてあげたのに」
「ええっ!」この部屋着わざとだったんだ!俺の邪な心が見せた邪念じゃなかった!
「上げ膳据え膳用意してあげてるのに、なにもしてこないから。
夜這いしてみましたー」
「ええええええええっ」
「さわりたいんでしょ?」
「さ」
触りたいかどうかって聞かれると、いやその触ってはみたいけどサイズ的に大変恐れ多いっていうか、尻込みするっていうか。
「いいんだよ?どーぞ?」
「ど」
どーぞって言われましても!
しどろもどろになって目を泳がせる豪星の前で、「ふーん?」猫汰がにやにや笑う気配がする。ひどく楽し気だ。
「ダーリンってば、この前旅行で襲ったときはあんなに怖がってたのに。いまはそうでもなさそうだねー?
あれだね?ダーリンが怖かったのは男の子となにかすることであって、こういうこと自体には興味があるんだね?
俺が女の子なら別にこわくないし興味があるんだね?」
「うっ……、」猫汰の言葉に否定が出来ないでいると、「ふふー、そっかそっか」ますます愉快に笑われた。
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