「うーん。検討しておきます」

「色よいお返事をおまちしておりまーす!」

「ははは。善処します」

二階のすべてを、ざっくり見終えたころ。「あ」猫汰がふと、立ち止まって振り返った。

「そうだそうだ。ダーリン。この前俺、土なべ割っちゃったでしょ?ついでに一階で買ってこようよ」

「そういえばそうでしたね。いきましょう」

一階に降りて食器コーナーにいくと、色々種類のある土なべを、これもあれこれ相談しつつ、選んでレジにもっていく。

カウンターで、鍋をふくろに入れてもらう最中。

「明後日こたつが届いたら、さっそくこれでお鍋つくるね。
ダーリンはなにが食べたい?」

「えーと……じゃあ、おでんが食べたいです」

この時期にコンビニで売り出されるおでんが、豪星は大好きだ。

それをこの人が作るとなれば、さぞ美味くなることだろう。

「わー、いいねぇ。じゃ、明後日はおでんにしようね」

明後日に楽しみがひとつ増えたなと思いつつ、鍋と猫汰といっしょに、豪星は店を出た。



「「せんぱーい……あのー……」」

あくる日の放課後。豪星と猫汰の教室にへんじけんじが顔をのぞかせる。

「なんだよ」

「どうしたの?」

「そのー……ですねー……」

非常にいいにくい。と言った風にお互いを見合ったあと、おずおず、双子が教室に入り込んでくる。

その際、「ほら、龍ちゃんいくよ!」けんじが廊下からなにかを引っ張った。引きずられてきたのは、イヤイヤする龍児だ。

「龍児くん?」呼びかけるなり、はっ!と顔を上げた龍児が、さっと青ざめる。どうやら尋常ではない用事らしい。

「おれ、やっぱもどる……!」

「駄目だよ龍ちゃん!」

「せっかくここまで来たんだ龍児!はらくくれ!」

きびすを返そうとする龍児を二人がかりで押しとどめる。

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