「三人とも!よろしく!」
「「おっけーっす」」
「おう!」
5人で豪星の部屋にはいり、あらかたまとめてあった荷物をつぎつぎに運んでいく。とはいえ、豪星の部屋はものが少なく、5人で運ぶような労力はいらない。
これは口実だ。5人で会える最後の日をつくりたかった。
「そういえばせんぱいたち!」
段ボールを運んでいたへんじが、ひょっこり、顔をのぞかせて笑う。
「俺たちね!進路きめたよ!」
「え?そうなのへんじ君」
「うん!俺とけんじと、龍ちゃんで、先輩たちの大学目指すよ!」
「はぁっ!!?なに勝手にきめてんだ!くるなよ!?ぜったいにくるな!」
「「やだねぜったい行くし!また邪魔してやる!!」」
「おーまーえーらー!!」
ははは。こりないねー三人とも。
「ごうせー、まってて。絶対にまってて」
「うんうん。まってる。絶対にきてね。勉強がんばってね」
「うん!がんばる!」
「こらーーー!りゅーちゃんと必要以上にちかづくな!!ゆるしたけど認めたわけじゃねぇからな!!」
「猫汰さんのけち」
「なんだその可愛い言い方は!!俺を萌えさせてスキを作ろうたってそうはいかねぇぞ!!」
「そんなこと考えてないし。
あ、これでダンボール最後だね。三人とも、ありがとう」
「いえいえー」
「どーってことねっすよ」
「なにかあったらまた呼んでくれ!おれ、てつだいにいく!」
「来なくていいわ!
ほら、ダーリンいくよ!」
「はーい。
それじゃ、三人とも。俺たち行くところあるから。これでお別れだね」
「うーっす」
ぷりぷり怒る猫汰の背につづいて歩く。そのさなか。
「「ばいばーい!先輩たちー!」」
「ばいばいごうせー!」
振り返って。
「ばいばーい。みんな。またねー!」
*
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