「はひッ、はッ、あ、うぁぁ…ッ」

「んん!だめ、おれもうでちゃうッ!だーりん!おれいっちゃうよぉ……ッ」

「あぁ!」と、甲高い声で鳴いてから、猫汰は自分の性器に手をそえて、たちあがった自分のものから中身を吐き出した。

豪星のものはいまだしばられたまま。彼の中にのこされている。

それを見て。

ずるいとおもった。

俺にこんな無体をしておいて。自分ひとりイくなんて。

怨みがましい感情に支配されている豪星の上で、息を整えていた猫汰が。不意にかたむき豪星のウデにふれると。

「……もおいぃよ」豪星のウデのヒモをほどいて。

「ね、すきにして?」にこぉ。と笑う。それを見て。ブチ切れた。

「はッ、あ、や、だーりん!いッ!いたッ!うんん!だめ!やっ、ぁぁぁあ!」

「は、ぁ!はぁ……ッ、くっそ!!……ぁあぁ!きもちいいッ!!」

彼の陰部のなかで、乱暴に腰をつかう最中。

「あはははッ!」

彼の嗤う声が、嬌声にまじって聞こえた。



産まれてこのかた19年目になりましたが。

まさか、童貞喪失が逆レイプだとは思わなかった。

「ふーー………」

はだかのまま天井をながめつつ、特大の溜息をつく。賢者タイムってよく聞くけど、このことかな。

さて、乱暴なやり方で童貞をなくしてしまったわけだけど。

おれ、このあとどうしたらいいですかね。

いや。普通に考えたら怒るべきだと思う。理由はどうあれ、いきなり逆レイプ。恋人同士でもよくない。

だから、俺は彼に怒るべきだと思うんだけど。

……思うんだけどさぁ。

ちらりと、となりで寝ている猫汰を見る。そこには。「ずたぼろ」という表現がとてもよく似合う彼が倒れていた。

俺がやったんだよね、これ。

歯型の痕がすごくて、見ていられない。俺、セックスすると噛むくせあったんだ……。しらなかった……。

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