はいはいこたつ入ってと言われたので、言われたとおりに足をふとんに入れて。こたつのスイッチをつける。
「トマトって便利だよねー、サラダによし。いため物によし。鍋にもよしなんて、万能すぎない?」
「おいしいならなんでも大丈夫です」
「そうだね。あ、ダーリン。ほらお酒。はいかんぱーい」
「はーい。かんぱーい」
「卒業おめでとー」
「おめでとうございますー」
いつもどおり。食べて、飲んで、食べて。のみすぎて。
「うー」ふらふらする視界をたえていると。
「ダーリン。寝ていいよ。俺が片づけておいてあげるから」
猫汰が助け船を出してくれる。「ありがとうございます……」その船にのって、眠りの海に旅立った豪星は、その日しあわせな夢をみた。
父親がうちにいて。
友達がたくさんいて。
学校がたのしくて。
いろんな場所に出かけて。
最後に、大学へいく夢。
あれでも、これ、夢かな?
ちがうや。現実だ。
なーんだ。よかった。
「まったく。かわいい顔して眠りこけちゃってさぁ」
「ん……、っ」
むずがゆい感覚に起こされる。
「あ、れ」覚醒後の低血圧で、頭がうまくうごかない。
ええと、俺、猫汰さんの家にいて。ごはん食べてお酒のんで寝落ちして。それで。
「――――――ひぃっ!!」
思い出している内に、腰がおおきく痙攣する。
「な、な、……ッ」
とびおきようとしたが。「うわ!」手がうしろに縛られている。
「な、なにこれ!?」起き上れないまま、混乱をきわめる豪星の下半身から。
「あ、おきたね」猫汰の声がした。なにごとかと思いきや。
「あ、あぁっ、ひ……っ!」
下半身が分厚いきもちよさに襲われる。なにか、ぬるつくもので、性器をしごかれているようだ。
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