それじゃあさっそく見に行こうかと、着替えと朝食をすませて外に出る。
最寄りのバスを利用して、運ばれること数十分。やってきたのは生活用品量販店で有名なトリニだ。
大きな駐車場を歩き、早速、店の中に入ると、入ってすぐ、新商品の寝具やカーペットにでむかえられた。
客層は、学生から若い夫婦に老夫婦、さまざまだ。
「あ、みてみてダーリン」新商品コーナーを軽く物色していた猫汰が、なにかをみつけて手招きしてくる。
「どうされました?」近づいてみると、なにかを目の前に差し出される。
「これこれ。キッチンツール三点セットだって。おもしろいねー。包丁と、ピーラーとまな板が文房具みたいに、パックのセットになってるよー」
「あ、ほんとだ」考えたひと、すごいなぁ。
キッチンツール三点セットのとなりは包丁のコーナーになっていて、色々な包丁が取りそろえられていた。
猫汰は料理をするだけあって、包丁にも興味があるのか、さっそく、包丁を物色しはじめた。
「セラミックのやつだー。これ一回買ってみたかったんだけど、包丁ってずっと使えるから、買い替え時がよくわかんないよねー」
「そうなんですかー」
豪星は、料理をほとんどしない(できない)ので、包丁のよしあしなんてわからない。値段が意外と安いんだなぁ。もっとするのかと思ってた。くらいだ。
あれ?でも、この包丁だけ見覚えがあるぞ?
「どうしたの?ダーリン」
「いえ、なぜかこの包丁に見覚えが……あ!思い出した!夏休みに龍児くんといっしょに料理つくったとき、龍児くんが使ってた包丁だ!へー、龍児くん、トリニで包丁買ったん」
「死ね!!」
「ぐえ!!」包丁でわき腹さされた!
パッケージのままだからよかったけどでもすげー痛い!!
よいこはまねしないでね!!
「デート中に浮気の報告たぁ良い度胸じゃねーか」
「どこから浮気でどこから地雷かわかんないよ!!」
「バカかてめぇは。りゅーちゃん関連全部に決まってんだろ!!」
「広すぎるでしょー!!」
「うるせぇ!いっぱつ殴らせろ!!」
「やめてー!!」
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