手を取り合う自分と龍児の間を、ばっさり猫汰が入るも。「やだ!!」龍児が豪星のうでをつかんで、応戦する。

「おれ!いましか!豪星とあえない!!」

「ひとの彼氏と!!いっっときでも会いたいなんざ!!ぜいたくこいてんじゃねぇ!!」

わー。両耳から聞こえる罵倒(ばとう)の音量がすごい。

耳の奥がきーーんってするー。

「ふ、ふたりともー。おちついてー。
へんじくーん、けんじくーん。龍児くんのほうよろしくー」

「「おっけーっす」」

自分は猫汰を、双子は龍児を押さえつつ、そのまま境内へ。

「やだやだ!こいつらと一緒に参拝なんてやだーー!!」と、めっちゃだだこねられてるけど、まあまあまあ。

「えーと、それじゃ、お参りしましょうか。
おさいせん箱にお金いれて、手をたたいて、お願いごとを……」

「となりのりゅーちゃんが、帰り道で事故に合いますように」

「しね」

「ふたりともー!それ神様の前でちかっちゃダメなやつだよー!!」

「じゃあ、ダーリンといっしょにいられますように」

「ごうせーといっしょにいられますように」

「まねしてんじゃねぇよ!!」

「してない!!」

「ふたりともー!!」

猫汰が、龍児のむなぐらをつかんだので、あわてて引きはがす。と、龍児が豪星のうでをつかんできた。

「なに触ってんだ!!」すかさず、猫汰が反対のうでをつかみ、ツナ引きが開催され、「あだだだだ!!やめてーーー!!」悲鳴を上げるも。「ダーリンちょっとがまんしてて!!男にはひけない戦いがあるんだから!!」謎の抗議がはいる。

いやいや!?その戦いの道具を俺にしないでーー!!

「へんじ君たちーーーーー!」

「「うーーっす」」

助けを求めると、ただちに双子が猫汰の背後にまわり、そして。

「えいや!」

「うわっ!!」

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