年末の挨拶。の体をした調査の結果。

「先輩たち花色神社で年越しデートするんだってさ!待ち合わせ時間もゲット!」

「兄貴すげー!やるじゃん!」

兄弟で盛り上がっているところに、龍ちゃんのきょとんとした目が入る。もー!龍ちゃんがきょとんとしててどうするの!

「龍ちゃん!しっかりしてよ!これで豪星先輩に会えるようになったでしょ!」

「なんで……?」

「なんでって!花色神社に行けば豪星先輩が年越ししてるだろ!その時会えるだろ!もれなくイケメンせんぱいもいるけど、でも人が大勢いるなら、約束してなくても、自然に豪星せんぱいと会えるだろ!」

「……そっか!」説明を受けて、ようやく相手が開眼する。うれしそうでなによりだ。

「それじゃ!年末は先輩たちのデートを邪魔しにいくぞー!」

「31日の10時30分に龍児のうちに集合なー!」

「「「おーーーー!」」」

三人で手をあげて、決意のポーズ。

からの。

「……なんか、最近龍児のやつ、ノリよくね?」

「うちに入っても文句いわなくなったしね」

思い当たりと言えば。

「……あー、勉強かな」

「そうだね。国語のし過ぎで、思いやりがすこし増えたのかも」

「どうしたおまえら?」

「「なんでもなーい」」



今年もあと数時間。

12月31日の11時の20分前。

かねてより猫汰と約束していた花色神社への、年越し参拝(さんぱい)。

待ち合わせの時間より少しはやめに到着して、彼を待っていると。

「だーーーーりーーーーーーん!」

5分後。意気揚々(いきようよう)とかけよってきた人に、「こっちですよー」笑顔で手をふる。

「さきに待っててくれたんだ!ありがとー!」

「いえいえ。楽しみにしてたら早くついちゃって。
俺、花色神社ってはじめて来ます。猫汰さんのいうとおり、こんな夜おそくなのに、たくさん人がいますね」

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