「とはいえ、ダーリンが一日二日で断言できるとは思えないから、たっぷりなやんでいいよー。
ダーリン成績良いから受検対策だけしておけばばっちりだし。俺が何時もの勉強といっしょに対策問題もつくってあげる。
そうすれば願書受付終了する一月まで悩めるよ。よかったねー」

よかった。のか?

与えられた情報が多すぎて頭が大混乱を起こしている。

「うーん……」

とりあえず再就活しなくてよくなったことだけはのみこめたので、そこだけよしとしておくか。



次の日。

「だーりーん。朝だよー。おきてー」

「うー……、」目元にさしこんできた光ごと、まぶたをこすって半身を起こす。

血圧の上がり切らないあたまで、ぼんやり窓を見てから、「……さむっ!」両うでを両手でさする。向こうでは、猫汰が室内のエアコンをつけているところだった。

「部屋が冷えててごめんね。けど、エアコンって寝てる間にもつかうと逆に体調わるくなるからさー」

「いえ。泊まらせてもらってる身でぜいたくこいてすいません……」

言葉通り、豪星が起床したのは猫汰のマンションの床の上だった。

最近、彼氏の家にいくことの実害がほとんどなくなったことにより、「休みに遊びに行って帰るの面倒になってそのまま泊まる」が恒例になりつつある。

土日なんて特にそうで。布団から食事から、色々世話をしてくれる彼にありがたいと思いつつ甘えている。

「10月も末だとさむいねー」

「そうですね。ほとんど冬ですね」

「今年、秋がすごく暑かったから、秋って感じしなかったねぇ」

「紅葉したと思ったらすぐに散っちゃいましたしね」

「紅葉がキレイな場所に遊びに行きたかったねー。来年いこっかー」

「ああ、いいですね」

「そうだ。ダーリン、うちでこたつ買う?エアコンよりこたつの方が好きって言ってたじゃない。うちでもこたつにしようよ」

「え?いいんですか」

「いいよー。俺、ダーリンとうちでも、こたつ一緒に入ってみかん食べたいなぁ」

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