「はぁ!?ふざけんなデマかよ!一球損しただろ!」
「デマじゃねっすよー」
「心の綺麗なやつじゃないと見えない窓が開いてたんですよー」
「俺に妨害かますとか良い度胸してんなてめぇら!!」
「きゃー!」
「こわーい!にげろー!」
「まてこらーー!!」
「「ざまーみろ!!あーっはっはっはっは!!」」
双子に殴りかかった猫汰が空振りし、ふたりが逃げて、猫汰がそれを追いかける。喧噪がさった内に、豪星もボールを持って準備。
「ごうせー!がんばれー!」
「うん!がんばる!」
まず一球目。あ、おしい。一本残った。
二球目。スペアが出た!もう一回投げられる!
三球目。……ストライク!やった!
「すげー!ごうせー!」
「すごーい!オレすごーい!」
「……は……っ、ぜ……、ひゅ……っ!ちくしょ、あいつら。に、にげられ……っ、げほ!げほ!」
「ねこたさんねこたさん!」
「へ?……なに?」
「俺、勝ったよ!俺が優勝した!みて!最後ストライクでたよ!わー!猫汰さんにも龍児くんにも勝ったー!うれしい!」
一瞬、なんのことか分かりかねた顔をしていた猫汰だったが。ひゅっと持ち直し。
「おめでとうダーリン!俺はダーリンが優勝するってわかってたよ!」
「おめでとうごうせー!さすが豪星だな!」
龍児にならんでほめちぎってくれる。「わーい!」うれしくて、バンザイしてしまった。
三人で豪星の優勝を祝っている間。
「おいおい。勝負のこと完全にどうでもよくなってね?あのふたり」
「ほんと、豪星先輩ってちやほやされてるよねー」
「こんなの、勝負始まる前からあのひとの優勝だろ」
「言えてるいえてる」
近くまで戻ってきたのであろう双子の声がどこからか聞こえてきたけど、内容までは聞こえなかった。
ちなみに、スマホケースは俺がもらったので、猫汰さんにあげました。
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