「わかりましたー」

まず卓上用のコンロをこたつの上において、その上に仕込んであったおでんを入れた土なべをおく。スイッチをいれて温めているうちに、冷蔵庫から作り置きのおかず兼つまみを出して、レンジで温められるものはすべて温めて配膳する。

全部終わると、猫汰もこたつにすっぽり入り。「それじゃ、かんぱーい!」ビールを開けて彼氏に差し出す。「かんぱーい」彼氏は梅酒をまず開けて、それを差し出した缶にこつんとあてた。

「猫汰さん。コールスローすっごくおいしいです」

「よかったー!こっちのレバーパテも、パンに塗ってたべてたべて!はりきってつくったんだー」

「へー、おしゃれ。こんなの手作りできるんだー……ぶっふぉう!!」

「どうしたのダーリン!?」

「しまった……。はりきった料理か油断してた……いやいや。うん。でも、アレンジが効きすぎてて、これはこれで良いかも」

「おいしい?」

「はい。おいしいです」

「よかったー!」

「ところで、おでんははりきってますか?」

「え?ううん。メインはダーリンの好みがいいかなって思って、シンプルに作ったよ」

「ありがとうございます。猫汰さんの機転の利くところ大好きですよ」

「えー?やだもー。大好きだなんてー。ふふふ。うふふふふー。
あ、おでんもう良いと思うよ」

「わーい。じゃあさっそくいただきます。厚揚げと大根にします」

「俺は巾着とこんにゃくにしよー」

「猫汰さん!おいしい!おでんめっちゃ美味しい!」

「ほんとだね!美味しいねぇ!こたつでおでんなんて幸せだね!」

「はい!しあわせです!」

彼氏とあれこれしゃべりながら、缶をひとつひとつ飲み干していく。

彼氏は付き合い初めて直ぐのころは、遠慮しいしいお酒を飲んでいた人だったけれど、最近は味をしめてきたのか、ぐいぐい飲むようになっている。

ちなみに、彼氏のアルコール限度量と言えば、梅酒一本、ビール一本、ハイボール一本、清酒二合。このあたりで完全に酔っぱらう。

そして、猫汰はこのときをいつも狙っていたりする。

なぜなら。

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