「これ、どうやって開けましょう。手でむけるのかな?」
「まってまって、段ボールで手ぇ切っちゃうよ。ハサミとってくる」
段ボールの箱のスキマ、ガムテープの張られた場所に指をさし入れようとした彼氏を留めて、ハサミを取りに行く。
まずは二人がかりでこたつを出して、説明書のとおり組み立てていく。
三匹の猫ちゃん柄のふとんもかける。
こたつが終わると次はツリーに取り掛かったわけだが。
「わー!!ツリーだ!!」こちらの方は、彼氏のテンションの上がり方がすさまじかった。よほどうれしかったようである。
やりたがる彼氏に飾りつけはお任せし、ツリーもばっちり完成すると、リビング隅に移動させる。
こたつもあって、ツリーもあると、一気に冬らしくなる。
「終わったねー!」
「終わりましたねー!」
時間を見ると2時間ほど経っている。結構かかったな。しゃべりながらやったからかな。
「ダーリン。お酒買いにいこー。ついでに梱包材捨てにいくの手伝ってー」
「分かりました」
梱包材の内、資源回収に廃棄できるものだけより分けて、二人分担で抱える。
「あ、そうだそうだ」途中、知り合いにお土産を渡し損ねていたことを思い出し、いそいで取りに戻る。
「どうしました?その紙袋」
「うん。これねー、夏休みにラブリーパークと三択島にいったでしょ?その時、みつたちにお土産買ったんだけど、ずっと渡しわすれてたの。ついでに置いてって良いかな?」
「わかりました。寄っていきましょう」
梱包材と紙袋を持って家を出て、先に梱包材を捨てる。次にコンビニへ行き、あれこれ好きなお酒を買い込むと、光貴たちの店にお土産を置いて帰宅する。
そのころにはすっかり太陽が落ち込んで、空が暗くなりかけていた。冷え込みが、ぐっと増す。
さむいさむいと言い合いながらうちに戻ると、こたつをつけて、彼氏をそこにつっこんで、自分はキッチンへ。
「ダーリン、買ってきたお酒机に並べておいてー」
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