げらげら笑う猫汰から成績表をみせてもらう。
「おお……これは……」引きはしないが、たしかにやばい。
「ふっざけんな!!豪星には見せないっていうから来たのに!ふざけんなぁ!」
「いや。ごめん龍ちゃん」
「今のは不可抗力(ふかこうりょく)だろ……」
「ダーリンが見ても見なくても事実はかわんねーだろ!うけるー!やーいりゅーちゃんのバーカバーカ!」
渾身(こんしん)の一撃が龍児の胸をつらぬく。龍児の顔が号泣(ごうきゅう)手前。みたいな風になった。
「くっ、こうなると分かってたけど……」
「実際に龍児いじられると腹立つな!」
「けどしょうがないよけんじ!もう俺たちと先生じゃ手に負えない!」
「それもそうだな!おいイケメン先輩!龍児の成績がやばいの分かっただろ!?本人もこのことについてはべっこべこにへこんでるんだって!」
「へぇー?」
「で、ここしばらく、俺と弟と、先生も手伝って、龍ちゃんの勉強みてみたんだけど……」
「まったくはかどらなくて……」
「龍ちゃんも、授業真面目に受けてるし、家に帰ってもちゃんと勉強してるらしいんすけど」
「なんでか全くダメで……」
「どうしよう。このままいくと俺たち、一緒に進級できるかな?」
「進級は出来ても、より成績がやばくはなるよな」
「うーん……」とうなる双子の傍らで、「ふーーん?」猫汰はにやにや、成績表を眺める。そして。
「この点数の低さを顧みるに、りゅーちゃんってあれでしょ?そもそも、テストの問題の文章読んで、なに言ってるのか分かってないんでしょ?授業聞いても、先生が何言ってるのか実は理解できてないんじゃない?」
猫汰に言われたとたん、龍児の肩がびくっ!!と震えた。
「で、がんばって教科書や授業ノートごと暗記してみたりするけど、そのまま出てこないと分かんないんでしょー?
そもそも、暗記も完璧じゃないんじゃない?」
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