「ウチ帰ってからやれよ!」

「いや、ほら、なんかあれかなって」

「ちょっと前に流行った、思い立ったらいつやるの?」

「いまでしょ!みたいな。つうわけで、豪星先輩、場所お借りします」

「俺は別に良いけど……」

「よくない!邪魔!もー!テスト期間中はいつもよりダーリンと一緒にいられるのにー!」

外野はさておき、床を借りて早速勉強を始める。苦手な教科は……まあさておき、とりあえず得意な分野に手を伸ばして、がりがり勉強を始めること数分。

「……いやでもさぁ」手をとめて、無駄口を開く。

「大学うんぬんはまあ近々調べてみるとして、とりあえず今よりもっと勉強しないと!っていうのは分かったけど」

「だからといって、勉強が今すぐ、ものすごく出来るわけじゃないよな」

「どうする?親に頼んで塾とか行かせてもらう?」

「それもそうだけど、目下は今回のテストだよ。もう日がないよどうすんのこれ」

「先生に聞く?」

「聞くったって日中じゃ時間ないだろ。授業中につきっきりで聞けるわけでもないし。だいたい、テスト勉強期間なんだから、他の奴も聞きに行ってるだろうし。簡単に捕まらないだろ」

「そっかー……」

「「うーーーーん………」」

悩んでいる間に、こちらの存在は無視に決め込んだのであろう、背中を向けた猫先輩がふと目に入る。

そういやこの人。あんな説明するだけあって、頭いいんじゃね?

「ねえ猫先輩。先輩って順位どれくらいなの?」

「なんだっていいだろ」

「え?猫汰さんいつも5番以内じゃないですか。なんでもなにも、すごい順位」

ですよね、と言い切る前に、「5!?まじかよすげぇ!」声を遮り相手にとびつく。

「ちょうどいいじゃん!先輩勉強おしえてよ!」

「はぁ!?なんでそうなるんだよ!自分でちまちま適当にやってろよ!」

「いいじゃん!可愛い後輩の進路を思って!」

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