「うん??」なんか、猫先輩と会話がかみあってないような。

そもそも、大学の話なんてもっと遠い話で、少なくともあと一年とか二年先の話じゃないの??

「……お前等さぁ」目を白黒させる自分と弟に、相手が呆れた声を出す。

「まさか、学校なんてとこ毎日せっせときてるくせに、なんで勉強してるかよくわかんないまま、とりあえず授業受けて、なんとなくテスト受けてない?」

「え」

「いや、まあ」

そんな風に意識したことないけど、そもそも学校ってそういうところじゃないの?

みんな行くから行く場所で、進学もみんながするからするもので……。

「あきれた。進学するつもりなのに大学も決めずにだらだら勉強してんのかよ。
ってことは、大学によって出題傾向があったり、配点にバランスがあったりするのも知らないんだろ」

「え?」

「なにそれ?」

「どういうことですか?」かたわらの彼氏も同調して身を乗り出すと、「ダーリンは就職希望だから、あんまり関係ないよー」それまで顰められていた顔がぱっとほころんだ。好感度の出し方が、あいかわらず顕著だな。

「いえ。なんか気になるかなって……」

「そう?じゃあ説明してあげるね。

あのね、大学受験って、大学ごとにテストの出題傾向や配点が決まってるのね。
例えば、歴史と国語をやっておけば良い点とれるところとか、逆に数学と理科さえ集中してやっておけば良い所とか。

なにも学校の授業で出てくるものを全部まんべんなくやっておかなくてもいいのね」

「……そうなんだ」

「知らなかった」

「俺、まんべんなくやってました……」

「だからー!ダーリンはいいんだって!就職するんだから!
それでね。例えば、入りたい大学が、社会と国語をやっておけば楽に入れるってあらかじめ分かってれば、数学と理科は、極端に言えば勉強しなくていいでしょ?

でも逆に言えば、入りたい大学も決めずに勉強してると、数学と理科はやらなくても良いのに、学校が教えてるからってなんとなくそっちにも時間さいちゃって、知らないうちに無駄に勉強してる可能性が出てくるわけ。
そうならないように、受験は逆算して臨むのが本来なの」

36>>
<<
top