「ううん。ダーリンの」あっさり一蹴される。
「えーと。俺のですか」団体の衣装を悩むならまだしも、俺の衣装ひとつで悩むのはどうなんだろう。
「そう。ダーリンの衣装はね、俺が手作りするって決めてあるから、文化祭に間に合わせるために、今から型紙ひかないといけないんだけど」
なにをいってるんだろうかこの人は。
「……猫汰さん、服が作れるんですか?」
「え?うん。俺、裁縫教室で死ぬほど遊んだことあるから」
多才でいらっしゃいますね。
「もう、1日からずっと迷ってて、決まらないの。クラッシックメイドにしようか、セーラー服にしようか。俺、AVなら後者だけど、メイドも捨てがたくって。スカートが膝上じゃなくて、膝下のやつね?ダーリンは真面目さんだから。これ絶対ね?」
「ええと……」
「……あー。メイドとセーラーなら、どっちの方がヤっててより興奮すっかな。ヤってみないとわかんねーわ」
「……も、もういっそ、メイドもセーラー服もやめて、猫耳とかどうですか?ほら、ラブリーパークで買った青猫ちゃんカチューシャあるじゃないですか」
身の危険を感じたので、いっそどちらの案も蹴ってくれと、代替え案を立てると。「……それだ」猫汰の目から正気がうせる。え。なになに。
「それだ!!それだよダーリン!メイドに猫耳だって!!なぜそれに気づかなかったの!?ダーリンが青猫ちゃんとメイドを着るんだよ!そして!俺が!膝下のスカートをわし掴んで!!パンツごと剥く!!それだー!!」
「…………」
え?やらないよね?妄想だけだよね?
「よっしゃー!構想出来た!!すぐに型紙ひかなきゃ!!ありがとーダーリン!俺、早速家庭科室行ってくるねー!」
「…………」
やられないよね???
何も言えない豪星の前を意気揚々と猫汰が駆け出し、瞬く間にいなくなってしまう。
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