「?」こんたん?なんの?
「てか、よくそんなイロモノ企画通ったよな」
「あれだよ。猫先輩、ぜったい夏休み中にクラスメイトに根回ししたんだよ。ほら、体育祭の時みたいに、なにかエサでもちらつかせて、議決の前に多数決の点を稼いであったんだよ」
「うわぁやりそう」
「ふたりとも、なんのはなし?」首を傾げるも「あー。いいっすいいっす。豪星先輩には関係あるけどないっす」顔の前で手を振られてしまった。
「ま、せいぜい頑張ってくださーい」
「はあ……」なにを頑張るのかな?
うーん。良く分からないから、まあいいか。
「それより、二人のところは出し物何をするの?」聞きそびれた疑問を問うと。とたん、双子がにやりと歯を剥いた。ああ。この顔は。
「「お化け屋敷でーす!!」」
「うわあ……」どうしてお化け屋敷になったか、なんとなくわかったぞ。
「一応聞くけど、龍児くんは……」
「猛反対してましたね!」
「ぜってーやだ!!俺やらない!!って、泣き叫んでましたよ!!」
「龍児がお化け屋敷大嫌いだってのは、先に龍児のお父さんから情報仕入れてましたからね!文化祭の出し物なんてこれ一択でしょ!」
「うんと張り切って、議決戦争しましたよ!これもひとえに!龍ちゃんをいじめ……龍ちゃんと文化祭を楽しむために!」
「ははは………」二人とも。毎回のことだけど、ほどほどにね……。
廊下の曲がり角で双子と別れると、ひとり、昇降口から帰宅する。
家に帰ると「おっかえりー」カップ麺に湯を注いでいた父親が、首だけで振り返る。
「ただいま」適当に挨拶を返して、豪星も、カップ麺を食べようかと、キッチンに向かったところで。
「そういえば父さん。今度文化祭があるんだけど」ふと、思い立つ。
「文化祭?」父親が不思議そうな顔をする。それもつかの間。
「ヒマなら来る?」
「うん!行く行く!」嬉しそうにうなずき、手を叩く。
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