時間にして、大体15分。あっさり終わったホームルームを教師に告げると、やることが無いからもう帰れと通達された。

早めに帰宅できるのは喜ばしいので、さっそく、支度にとりかかる。

すべての支度が終わると、さて、猫汰から「いっしょにかえろう!」とお呼ばれされる。かと思いきや。「神崎さーん!」委員長から横やりが入った。

「なに?」猫汰が振り向くと、「いや。今から生徒会に出し物の書類作りに行くんですけど、俺と着いてきてもらえませんか?発案者がいると書類作成やりやすそうだし」同行を請われる。

顎に手をあてた猫汰が「いいよ」頷いた。

「それじゃあダーリン。俺、いいんちょと一緒に生徒会行ってくるから、今日は先に帰ってもらえる?」

「はい。分かりました」

「うん。それじゃあ。ばいばーい」

軽く手を振り、猫汰と委員長が教室を出ていく。二人の退出を見送ったあと、豪星も教室を後にした。

校舎を渡っている最中。「あ、豪星せんぱーい」知った声に呼び止められる。振り向くと、へんじとけんじが駆け寄ってきた。

「いま帰りっすか?」

「うん。二人も?」

「いいえー。文化祭の出し物決まったんで、生徒会に提出にいく途中っす」

「へんじがうちのクラスの委員長なんすよ」

「そうなんだ。あ、いま猫汰さんも生徒会にうちの委員長といっしょに行ってるはずだから、会うかもね」

「げ」「猫先輩いんのかよ」二人が、嫌そうに顔を見合わせる。

「つうか、なんで猫先輩まで生徒会に行ってるんすか?」

「うちのクラスの出し物の発案者が猫汰さんなんだ。アイディア出した人が一緒にいるとやりやすそうだって、委員長に頼まれたんだよ」

「……すげー嫌な予感しかしなんすけど、豪星先輩んとこ、出し物なにやるんです?」

「コスプレ喫茶だよ」

「………」「………」二人がふたたび顔を見合わせる。

「おいおい」

「イケメン先輩の魂胆まるだしじゃねーか」

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