ラブリーパークは、新幹線で二時間かかるだけあって、豪星たちが暮らす片田舎とは一線を画す都心部付近に建っている。その所為か、駅の様子も、最寄り駅とは打って変わり、洗練されている。見た事のないものが多すぎて目が回りそうだ。

此処から別の電車に乗り、更に20分かかるとのこと。早速、先導する猫汰について入り組んだ構内を歩き始めた。

「あ、動く床だ。乗ろう、豪星くん」前を歩く猫汰が、エレベーターを横にしたような機会に入って、手招きする。つられて乗り込み、「うわ!」浮遊感に声を上げた。

「すごい。床が動くんですね……っ、転びそう」

「あはは、転ばないでねー。遊びに行く前にケガするとかシャレになんないし」

「はあ。気を付けます。……いやー、都会って凄いですね。どうすごいのか説明はできないんですけど……」

「だよねー。地下鉄とかもさ、ずっと前にパノラマ模型で、構内の断面図とか見た事あるんだけど、すごかったよ」

「へえ。どうすごかったんですか?」

「豪星くんと一緒。説明できない」

「はは……なるほど」

動く歩道を先まで歩き、階段をいくつか下ると、ようやく目的のホームに辿り着いた。

ちょうど停車していたのですぐに中へ入り込むと、二分もしない内に動き出した。車窓が、暗いホームから景色に移り変わる一瞬、明るさに目が焼け、くらりと眩暈がした。

それも僅かのこと。すぐになれると、対面の窓から景色を眺め始めた。外は、工場が多くて、自然の類がとても少ない。これからテーマパークへ行くというのに、工場地帯ばかり続くというのは、不思議とそぐわないなと思った。

「なんだか殺風景ですね」口に出して言うと。

「途中もラブリーだと思った?」猫汰がからかう。言われて初めて、ああ、そんな風に思っていたのかもと、気づいた。

「ま、しょうがないよ。ここら辺埋立地らしいからね。全部がラブリーとはいいがたいんじゃない?」

「え?それじゃあ、ラブリーパークって、埋立地の上に建ってるんですか?」

「らしいね。……あ、見てみて!見えてきたよ!」

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