「……あ、龍児くんも帰ってきた」遅れて、龍児が到着する。猫汰との時間差、わずか数分。猫汰は半周、龍児は全周となれば、これ、後者の速度が、相当早い計算になるんじゃ……。

とはいえ、二番は二番。しばらく息切れしていた龍児が、ふと、落ち着き、猫汰を見るなり、この世の終わりのごとく、目を見開いた。

その隙をまったく見逃さず、「やーーーい負け犬!二着おめでとーーー!」猫汰が追い打ちする。その二言で完全にやられたのか。「……うっ……う」龍児が両手で顔を覆った。やばい。あれガチ泣きだ。

「龍児く……」豪星が飛び出す前に、「りゅうじー!」「だいじょうぶ龍ちゃんー!」双子が龍児のもとへ飛んでいく。

「まだまげだぁ……っ」

「いやいや!あいつ途中で、真ん中つっきって走ってたからな!?」

「フェアじゃねーって!試合は負けても勝負は負けてないから!」

「うぇぇえ……っ」

「泣くなよ龍児!」

「泣かないで龍ちゃん!」

「はっ。傷のなめあいたぁご苦労なこったな。一生やってろばーーーか!」

猫汰が三人をあざ笑うと、「あ?」双子のどちらかが、低い声で切れた。

「おい先輩。調子乗ってんじゃねーぞ」

「龍ちゃん泣かせていいの俺らだけっすよ」

「負けた奴なじってなにが悪いの?」

「てめーも一回負けてんだろ!!」

「なにタメ口きいてんだ。盛れないよう去勢してやろうか?」

「上等じゃねぇか!」

「返り討ちにしてやっからな!」

「み、みんな……」場の険悪さが、遊びの範疇を超えてきたような……。

とりあえず、三人がにらみ合ってる隙に、龍児くんを慰めよう……。

「龍児くん。大丈夫?」

「……うん」あ、泣き止んだ。良かった。

「次はビーチバレーで勝負だ!」へんじが、いつの間に持ってきたのか、ボールを掴んで叫ぶ。

「いいよ。ルールは?」さらりとかわした猫汰が、顎をしゃくって促した。

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