「うん、うん!いこう!ごはんいこう!あのね!ディナーショー見ながら美味しいコース料理食べられるレストランがあってね!それでねそれでね!」
「ははは。うんうん。はいはい。…………………ちょろいな」
「ん?何か言った?」
「いえ。なにも」
*
ラブリーパークを退出したのは、ちょうど8時ごろ。そこから、15分ほど歩いたところにある、ラブリーパーク提携ホテルへ向かい、チェックインする。
「……うー」
「大丈夫?」
「……めっちゃ眠い」
その間。彼氏といえば、しきりに目を擦っては眠気を訴えていた。どうも、退出した瞬間に限界を迎えたようだ。
何時にないぼやけた受け答えで、猫汰の後ろをただついて歩くような形になっている。
猫汰といえば、折角良いホテルを取ったので、23時まで飲み放題のラウンジや、大浴場の露天風呂、部屋から見下ろす形で見る事の出来る、ライトアップされたラブリーパークなど、寝る直前まで、彼氏と楽しみたいイベントは山ほどあったのだが。
「……豪星くーん」
「……うー、はい」
「大丈夫ー?起きてー?」
「……うー」
大浴場から出て、ベッドに入って寝転がるなり、彼氏が全くうごかなくなってしまった。
「……もー。せっかく、ラウンジは無理そうだから、部屋呑みしようと思って色々買ってきたのに」
提携のコンビニで買ってきたあれこれを、袋にぶら下げ不満を垂れる。ひとりで飲んでもつまんないじゃん。
「ねー。豪星くんってばー」
「………」
「寝ちゃったの?先に寝ないでよ。せっかく良い部屋取ったんだから、最後くらいキスしてよ」
「………」
「ねーってば。……起きないと襲っちゃうぞ」
寝てたって、あれこれ出来ちゃうんだからね。あんまり無防備に寝てると、ほんとにやっちゃうぞ。
「………きょうは、」本気で悪戯してやろうかと、模索していた最中。彼氏の口がもごもご動く。耳を澄ませて近づくと。
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