「うん、うん!いこう!ごはんいこう!あのね!ディナーショー見ながら美味しいコース料理食べられるレストランがあってね!それでねそれでね!」

「ははは。うんうん。はいはい。…………………ちょろいな」

「ん?何か言った?」

「いえ。なにも」



ラブリーパークを退出したのは、ちょうど8時ごろ。そこから、15分ほど歩いたところにある、ラブリーパーク提携ホテルへ向かい、チェックインする。

「……うー」

「大丈夫?」

「……めっちゃ眠い」

その間。彼氏といえば、しきりに目を擦っては眠気を訴えていた。どうも、退出した瞬間に限界を迎えたようだ。

何時にないぼやけた受け答えで、猫汰の後ろをただついて歩くような形になっている。

猫汰といえば、折角良いホテルを取ったので、23時まで飲み放題のラウンジや、大浴場の露天風呂、部屋から見下ろす形で見る事の出来る、ライトアップされたラブリーパークなど、寝る直前まで、彼氏と楽しみたいイベントは山ほどあったのだが。

「……豪星くーん」

「……うー、はい」

「大丈夫ー?起きてー?」

「……うー」

大浴場から出て、ベッドに入って寝転がるなり、彼氏が全くうごかなくなってしまった。

「……もー。せっかく、ラウンジは無理そうだから、部屋呑みしようと思って色々買ってきたのに」

提携のコンビニで買ってきたあれこれを、袋にぶら下げ不満を垂れる。ひとりで飲んでもつまんないじゃん。

「ねー。豪星くんってばー」

「………」

「寝ちゃったの?先に寝ないでよ。せっかく良い部屋取ったんだから、最後くらいキスしてよ」

「………」

「ねーってば。……起きないと襲っちゃうぞ」

寝てたって、あれこれ出来ちゃうんだからね。あんまり無防備に寝てると、ほんとにやっちゃうぞ。

「………きょうは、」本気で悪戯してやろうかと、模索していた最中。彼氏の口がもごもご動く。耳を澄ませて近づくと。

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