「いや、そうなんですけど。なんとなく此処かなぁって」

「……なんとなくで、此処来ちゃったの?」

「はい。なんとなく」

「……なんとなくで、俺見つけたんだ……」

「はい?そうですね」

「……もーーー!やめてよこういうの!」

「え!?なにがですか!?」

「めっちゃドキドキした!こういうサプライズほんとやめて!心臓にわるいー!」

「み、見つけない方が良かったんですか……?」

「そうじゃないから!もー!無自覚のばか!豪星くんのバカ!大好き!」

「???」



合流した頃にはすでに夜の7時が過ぎており、そろそろ土産でも見ていこうかという話になった。

早速、二羽のカラスから、入口付近のショッピングモールにまで移動すると、端から入って、土産物を物色し始める。

ラブリーパークは国内最大級の人気テーマパークを自負するだけあり、アトラクションとひけを取らぬほど、土産の数や種類が充実。多様化している。これを見て楽しむのも、此処に来る醍醐味のひとつと言っていいだろう。

いったん、お互い見たいものを見る為同じ区画内で離れると、豪星は陶器のブースへ、猫汰は衣類のブースへと移動する。

衣類のブースは、定番のシャツやパーカーに並んで、季節に合わせた柄を含んだ限定ジーンズなども展覧されている。さて、どれを買おうか迷っていると。

「……ん?」すぐ目の前に「夏季限定!三匹の猫ちゃんトランクス」という煽りを見つけて立ち止まる。トランクスには、スイカやうちわを担いだ青猫、白猫、黒猫ちゃんが、愛らしい風体でトランクスに印刷されていた。なにこれ可愛い。これの青猫ちゃんと白猫ちゃん買おう。そう思ったのも束の間。

「……はっ!」これ、青猫ちゃんは豪星くんにプレゼントして、俺が白猫ちゃんはけば、お揃いになるんじゃね!?

おいおい下着お揃いとかどんだけイチャイチャしてんだよ。新婚かよ。爆発するのかよ。

あとあと。彼氏が自分のプレゼントしたパンツはいてるとか、なにそれ!やだー興奮する!俺たちまだ清い関係なのにパンツだけお揃いとか!いやらしい!爆ぜる!俺の気持ちが爆ぜて飛んじゃう!

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