「ねえねえダーリン。体育祭が終わったらお疲れ様会しよ?ダーリンのおうちで」
「お疲れ様会ですか?」
「うん!コンビニでおかしとジュース買って、俺の勝利をサカナにのみあかそー!」
「ははは…それは良いツマミですね」
「なになに楽しそうだね!僕も混ぜて!」
「…うわ!父さんいつの間に!?かえったんじゃなかったの!?」
「いやー、折角だし、豪星君と今日は飲み明かそうと思ってお酒買うついでに迎えに来たんだけど、猫ちゃんが先に催してたからさー!割り込んじゃった。ほら、良いウィスキー買ってきたよ。つまみもあるよー」
「わーい!おとーさま気が利くー!それじゃあ早速、おうちにいきましょー!」
「おー!」
「おー……いいのかなー」
―――目が覚めると、外がとっぷり暮れていた。
明りを吸い込みきゅうと丸まる目を擦りながら、猫汰はうんと背を伸ばした。
どうやら、疲れた体に酒を入れた所為で、何時の間にか寝入ってしまったらしい。
首を振ると、猫汰と同じく寝入ってしまったらしい中嶋親子が、すうすうと気持ちよさそうに転がっていた。それを上から見下ろして、息子の方をつんつん突つく。起きるかと思いきや、「うーん」という反応以外は返ってこなかった。
なーんだ。ぐっすり寝ちゃってる。おとーさまも寝ちゃってるし。二人とも起きないならする事ないし帰ろっかなー。…でもその前に。
近くにあったゴミ箱を掴むと、お菓子の袋や空き缶をいそいそ片付け始めた。起きた時に部屋が汚いのは頂けない。彼氏にはいつでも気の利く恋人だと思われたいものだ。
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