あくびをしながら大体のゴミを片づけ、鞄を持って立ち上がる。
「ダーリン、おとーさま。俺もう帰るねー」
一応言ってみると、彼氏の方がごろりと寝返りを打った。その際、可愛らしい目元にシワがより、口がもごもご動く。その動作がエロ可愛くて、心臓がぎゅっと縮んだ。
…あー!可愛い!
相変わらず、すっげー俺好みの顔してる!
この、ぱっとしなくて大人しそうでも泣き黒子あってそれがエロくて可愛いこの顔が好きだ!
たまらず踵を返し、屈んで彼氏の顔を見下ろした。相変わらず、むにゃむにゃ動いている口の動きがいやらしい。
この顔に、あんなことやこんな事をしたりしてもらったりする予定だったのに。実兄に止められ非常に悔しい思いをしたものだ。
あの時止められなければ、今頃俺の部屋で…。
あ、やべ。ムラムラしてきた。
帰るついでにAV借りてこうかなー。でも、最近ダーリンじゃないとたたないんだよねー俺。
まったくもー。彼氏が健全過ぎると自分の世話も大変だよね?いいんだけどさー。
うん。ほんっといいの。なにせこんなタイプな男の子を、頭の中ならああしてこうしてそうしてどうして…………………………………………………………………………………………………………やべー最高!!ダーリン天使まじ天使!!
あれ。俺何してたんだっけ。
ああそうそう。帰るついでにAVどうしようかなって思ってたんだった。
…あれ。そういえば、ダーリンもAVとか持ってるのかな。
………。
ええええ!全然想像したこと無かった!無かったけど!ダーリンがAVを持ってるなんて…そんな…!
「興奮する!!!…じゃなかったー!いやー!はれんち!」
でも持ってるよねー!奥手で大人しくて超健全でも、ダーリンだって男の子だもんねー!
やばい。滅茶苦茶気になってきた。
……探しちゃおっかなー。
…だめ!さすがにそれはダメ!俺、まだ彼氏なんだから!結婚するまで恋人のプライバシーはちゃんと守らないと!
たまにメールのチェックはしてるけど!流石にシモのことは…!
でもでもどうしよー!気になるー!
気になって今日は眠れないかもー!睡眠不足は困っちゃうよねどうしよー!
「………………………おーーーーっと!クローゼットに手がすべったー!!はずみで扉が開いちゃったーーー!!いけない中が散乱したーーー!!片付けないとーーーーー!!」
わざとじゃないよ。ちょっと手がすべっただけ。
だから…しかたないよねー!!
【覚醒編/みつ編完】
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