水の枯れた鼻を鳴らして、龍児がすたすた前を歩く。その後姿を眺めて、から、二人揃って抱き着いた。

前屈みになった龍児が目を白黒させて振り返る。その顔に、ぱちんと手を打つ。

「潔いよな、お前！」

「そういうとこ好きだよ龍ちゃん！」

「よっしゃー！それじゃあ三人で飯食いにいくかー！」

「龍ちゃん、俺の大盛り券使う？」

「お、いいな、努力賞ってやつだな！」

「そうだねー！龍ちゃん、よかったねー！」

「じゃ、とりあえず片付け先いくかー」

「いこいこー！」

「…ん」





体育祭の片づけが終わると、早速行きつけのラーメン屋に向かった。

店の前に自転車を置くと、ペンキの剥がれた手押し扉を開け「らっしゃーい！」活気の良い声を浴びる。

「あー腹減った。おじさん、席つめてね」

「すいませーん、水くださーい。みっつねー」

慣れた動作で三席陣取り、龍児を真ん中に座らせる。

「いいにおいがする…」辺りをきょろきょろ眺めていた龍児が呟いた。その肩をばしばし叩く。

「そりゃそうだ。ラーメン屋だもんね」

「こういうとこ来るの、はじめてか？」尋ねると、首が縦に傾いた。

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