「猫汰が前に、今度俺たちね!体育祭なの!ダーリンと初めての体育祭なのー!なんて、たのしそーに話してたから、なーんか懐かしくなってな。せっかくだから弁当作って遊びに来たんだよー」
「そうなんですか。あれ?でも、うちの学校、部外者の一般参加って大丈夫でしたっけ?学校に親戚の子がいるとか?」
「いや?ちょっと知り合いに頼んで入れてもらったんだ。内緒だぞー?」
「ははは…了解です」
「彼氏さん、猫さんはどうしたの?一緒じゃないの?」
「あ、はい。猫汰さんは所用で運営委員の方に行ってます。そろそろ戻ってくると思いますよ。次の二人三脚で俺と一緒に出る予定ですから」
「あ、そうなんだ。じゃあ応援するね。頑張って」
「有難う御座います」と同時に「だーりーん!」ハートのついた声が豪星のそばに駆け寄ってくる。
ぎゅうと腕に抱き着いてから、ようやく「あれ?みつとハル、いたの?」大人二人に気づいて、頓狂な声を上げた。
二人が、相変わらずだな、みたいな苦笑を浮かべる。
「いましたよー猫さん。今から二人三脚出るんだってね?頑張って」
「うん!ありがと!もー、ダーリンと体育の授業でいっぱい練習したから、絶対一番とってみせるんだから!」
猫汰がはしゃいでいる内に、向こうから「次は二人三脚です。該当選手は集合場所に…」招集のアナウンスが流れて来る。
猫汰は手を振り、豪星は会釈をしてから、大人二人の傍を離れた。
集合アーチにまで辿り着くと、二人で簡単なストレッチをして体をほぐす。
猫汰が貰ってきた紐で足をつなぐと、今更、緊張が胸に昇ってきた。
そんな豪星とは対照的に「がんばろー!」猫汰はやる気満々だ。
準備を終えた選手が入場し、位置につくと、早速開始のピストルがばん!と鳴り響いた。
豪星達はアンカーなので、まず先に一年と二年が走り切るのを待つ。
回りが歓声を上げるのを、どきどきしながら待機していると、自分たちの番がすぐに差し迫ってきた。
順位は…わ!先頭だ!すごい!
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