一週間前の報道では、今週は天気が怪しまれますと言われていた空も、当日ではからっと上がり、真っ青な蒼天を頭上に掲げる事となった。

何処からか、空砲や花火を鳴らす音が響く。

窓を見ると、白い煙がまっすぐに伸びて、そのまま雲の下に吸い込まれていった。体育祭らしい光景だ。

何時もより簡易なHRが終わると、教師の指示に従い、早速、体操着に着替えてグランドに向かった。

向かう途中、今日の為に用意された手作りの看板やオブジェが校門や校外のあちこちに並んでいるのを見つける。

普段とは違う装いたちに、学校全体が、どことなく浮ついているのを感じた。

生徒が全員グラウンドに集まると、選手宣誓、優勝旗返還、壇上に昇った学校長のあいさつなど、形式ばったお決まりの流れが過ぎていく。

あくびをしているうちに、競技の始まるアナウンスが流れ込んできた。まずは、100メートル走が始まるらしい。

「二人三脚まで、まだ時間あるからどうしてようか?」ひょっこり現れた猫汰が隣を歩き出す。

ちなみに、豪星の参加競技は二人三脚と午後の大縄跳び、猫汰は同じく二人三脚(同じペア)と、借り物競争だ。

二人三脚は、「ダーリンと出たい!」と言って彼は参加したのだが、以外なのは、借り物競争は、彼の自主参加だったことだ。

もっと華やかな競技に参加するかと思っていたのだが、本人いわく「借り物競争って、子供のときにやってみたかったの」だそうだ。

「…あ、いたいた、猫せんぱーい!」特に競技を見学することなく、二人で適当な場所で適当にしゃべりこんでいると、人込みの中から誰かが声をかけてきた。

駆け寄ってきたのはへんじで、腕には、「体育祭運営委員会」の腕章をつけている。

「騎馬戦のことなんですけど、ちょっと本部に来てもらえます?」

わかったと頷いた猫汰が、「ちょっと行ってくるねー」豪星に手を振ってから、へんじに連れられずっと向こうの方へ去っていった。

ひとりになると、余計にやる事がなくなってしまう。せっかくだし競技でも見ようかなと思い、足を進めたところで「よっ!豪星!」背後から背を叩かれ、びくっと跳ねた。

持ち上がった目で振り返ると「そんなに驚くなよ」何時もの出で立ちで笑う、須藤と紗世の姿があった。

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