「そうだよ!俺らの母ちゃんと全然違うぞ!人種が違うってやつだな!」

「…そうか?」

どうやら、龍児は美醜を判別する能力が人より乏しいようだ。

いや、自分の母親だから、その希少性が分からないだけだろうか。

「あーあ、もったいね。あっちに似てたら、お前今頃美少年なのにな!」

「………なにが?」

「え?だって、龍ちゃんどう見てもお父さん似でしょ?目つきとか眉とか、そっくりだよね」

「………」

てっきり、もう一度「そうか?」と言うかと思えば、龍児は変なタイミングで黙り込み、ふいと目を逸らしてしまった。どうしたんだろう?

「そういえばさー、龍児、お前、豪星先輩と付き合うって言ってたけど、男にヤれんの?」

それに気づかなかったらしいけんじが、今度はあけすけな事を龍児に尋ねてきた。

また話について行けなかったらしく、龍児が振り返って「は?」と、気の抜けた声を出した。その顔に向かって、へんじも加勢を繰り出す。

「そうそう、それ気になってたんだよね。龍ちゃん絶対女の方じゃないでしょ?絶対突っ込む方で考えてるでしょ?」

「は?」

「ていうかお前、童貞じゃないの?男で切るとか、その辺のメンタルも強いんだなお前」

「は?」

「…あのさぁ龍ちゃん、さっきからなんか、会話が全然噛み合ってないんだけど、付き合うの意味分かってるよね?」

「恋人だろ、知ってる」

「うんうん、それとね、まさかと思うけど、付き合ってる恋人がヤるとかヤらないとか、分かってない訳ないよね?」

「…キスのことか?あれ、痛いから、あんまりやりたくない」

…なんか、大事な事まで分かってなさそうだぞー?まさかねー?

うん、まさかっていうか、やっぱり分かってなさそうっていうか、わかってないよねこれー?

「…けど、友達にキスしないと恋人にならないらしいから、がんばる」

うーん。そっか。…分かって無いのか!!

「―――ぶははははははは!!まじかよ!!此処までわかってないのにイケメン先輩の前でアレやっちゃったの!?天才なの!?」

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