性別にしろ、顔立ちにしろ、出生にしろ、初めから、産まれる前から自分で好きな分配を出来るなんて、誰もが夢見る事じゃないだろうか。

「しかも、好きなように能力の振り分けも出来るとかいいよね」

「そうだな」

「うーん、でも、自分を参考に作ったらキャラクターがすごい地味になったな…」

「そうか?そっくりだぞ」

うう、遠回しに地味だって肯定されてる。龍児が言うとお世辞と遠慮が一切無いので、地味に傷つく。

若干横を向いていた豪星だったが、人生が画面の中で始まった途端慌てて正面を向いた。

進行用のダイスが転がり、人間の形を模した人形が、数多に繋がるマス目の上を走り、その上で、時にお金を貰ったり、時にイベントが起きたり、時にアクシデントが起きたり、アクションが連なっていく。

毒にも薬にならない、賑やかで明るい音楽が、始終鳴り響いては豪星達の人生を見守っていく中、豪星達は幼児から小学生になり、中学生になり、高校生になり、とうとう、まだ本人達が到達していない大人にまで成長していった。

先にゲームを遊んでいるお陰か、龍児の方が、資金や能力値が高く保有されている。それらを使って、これから大人を切り開いていくらしい。

高校を卒業すると、大学に進学をするか就職をするか強制的に迫られたので、豪星は就職の方を選んでおいた。ちなみに、龍児も同じように、就職を選んでいた。

能力と資金に合わせて選んだごうせいのサラリーマン人生の過程は、至って平凡。のひとことに尽きた。

しかし、それは豪星のこれからではなく、願望のような気がして、少し複雑な気分になった。

その隣で、龍児が早速結婚イベントを起こし、相手をじっくりと選んでいる。

二十人くらいのお嫁さん候補の中から絞り込み、龍児が最後の最後に迷ったのは、顔に特徴の無い、おさげの女性と、これまた特徴の薄い、髪の短い女性だった。

もっと派手な美人や、目がくりっとしたかわいらしい女性はたくさんいるのに、この二人で迷うとは、趣味が渋いな。

最終的に、髪の短い女性と結婚したところで、思わず「龍児君って、地味な子ばっかり選ぶね」と口にしてしまう。

「………!」

あれ、気づいてなかったのかな。

「…あ、結婚したら直ぐ子供が生まれるんだ、しかも、子供って空から降ってくるんだ」

「子供が空から降ってくる訳ないのにな」

「だよね」

「子供はキャベツから出来るって、テレビでやってたぞ」

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